はじめに
病名を知らされてから、最初に頭をよぎったのは『みんなにどう伝えよう』ということでした。
身近に同じような病気になった方がいない限り、この病気について知っている人は、ほとんどいないのではないかと思います。
相手に未知のことを伝えるってすごく難しいですよね…笑 ましてや、自分自身が当事者で、頭が真っ白な状態では、なかなか冷静にはなれませんでした。
誰にどの順番で伝えたか
最初に私の母に電話をしました。次に姉、そして仕事から帰ってきた夫に伝えました。
夫が仕事中だったこともあり、まずは連絡がとれる母と姉へ先に話しました。
伝えるときに悩んだこと
私自身も病名を知らされたばかりで、ネットで少し調べた程度。どう説明すればいいか分からず、頭の整理もついていませんでした。
とにかく病院での出来事から順に話してみよう――そう決めて、伝えることにしました。
実際に伝えたときの反応
母親の反応
大腸検査を受けることは事前に話していたので、検査結果を報告という形で切り出しました。
・大腸にポリープができた
・家族性大腸ポリポーシスという難病と診断された
・治療法はなく、大腸を切除しなければならない
母は理解が追いつかない様子で質問攻めに… 私もこのときは無知で気持ちにも余裕もなかったため、正直うまく答えられませんでいた。
今思えば、もう少し落ち着いてから話せばよかったな、と思います。
でも、それ以上に娘の私のことを心から案じてくれる母の姿に、「私は大切にされているんだ」と強く感じることができました。
姉の反応
姉にも、母と同じような内容を伝えました。
姉は私の話を、真剣に受け止めてくれて、不安な気持ちもそのまま伝えることができました。
話すうちに、私の気持ちも少しずつ落ち着いていったのを覚えています。
夫の反応
仕事中の夫へは、先にLINEで『(大腸)検査をして報告しないといけないことがる』とだけ伝えていました。
帰宅した夫に「検査どうしたの?」ときかれ、「大腸にたくさんポリープがあった。難病なんだって。」と絞り出すように伝えました。
その瞬間、抑えていた感情が一気にあふれ、涙が止まらなくなってしまいました。
その後の会話はあまり覚えていませんが、夫はいくつか質問をしたあと、それ以上はこの話題には触れてこなかったように思います。
後日、夫にあのときの心境をきいてみると、
「急な告知と(君の)様子をみて、どうしたらいいのか分からなかった。でも落ち着いてもらうために、あえて平然を装って話題を変えようとしてた。そのあとネットで調べて、ようやくことの重大さを実感した。」と話してくれました。
当時は、その態度に「私のこと、あまり心配してくれてないのかな?」と不安にもなりましたが(笑)、今では夫なりの優しさだったんだと思います。
※夫とのやりとりについては、また別の記事で詳しく触れます。
その他の反応
後日、実父や義理の両親、友人にも順に伝えていきました。
どの人も心配し、真剣に話を聞いてくれました。
話せば話すほど、心が救われるような気持ちになりました。
告げたことで変わったこと
誰かに話をすることで、疑問点が整理されたり、情報がつながったりして、少しずつ頭の中がクリアになっていきました。
また漠然とした不安が、言葉にすることで少しずつ輪郭を持ち、受け止められるようになっていった気がします。
今振り返っておもうこと
今振り返ると、「もっとこう伝えたら、混乱させずに済んだかな。」と思う場面もあります。
でも当時は、自分自身が情報も感情も追いついていない状態。言葉を選ぶ余裕なんて、正直ありませんでした。
しかし、思ったこと、感じたことを「言葉にする」ことは、本当に大切だと気づきました。
あのとき何も話せずにいたら、不安や混乱を抱え込んで、心の病にまで発展していたかもしれません。
話せる相手がいるって、すごく恵まれていることなんだと改めて思います。
おわりに
今、同じ境遇の方がいたら、ぜひ伝えたいです。
「病気と向き合うのは、一人じゃないよ。」
誰かと共有することで、少しだけで心が軽くなります。
抱え込まず、少しずつでも言葉にしてみてください。
このブログが、誰かの気持ちを少しでも軽くできるものであれば、嬉しく思います。