家族性大腸ポリポーシスとは?医師に聞いた病気・手術・他の患者さんのこと

手術と入院のこと
記事内に広告が含まれています。

はじめに

家族性大腸ポリポーシスと診断されたあの日から、何がどう進んでいくのか、正直わからないまま不安を抱えていました。

初診の日、医師からこの病気についての説明を受け、同時に手術の種類や、他の患者さんの事例についても話がありました。

今回はその時に聞いた内容を、できるだけ客観的に、これから初診を控えている方や同じ病気に関心を持つ方に向けて、分かりやすく整理してお伝えしたいと思います。

家族性大腸ポリポーシスとは

医師の説明によると、家族性大腸ポリポーシス(FAP)とは、遺伝性の疾患で、大腸に数百〜数千のポリープができる病気です。

この病気の厄介な点は、〝放置すればほぼ確実に大腸がんに進行してしまう〟ということです。

原因はAPC遺伝子の変異で、多くは家族内で遺伝しますが、なかには突然変異で発症する場合もあるとのことでした。

ちなみに私の家系では、2世代遡っても家族性大腸ポリポーシスや大腸癌を患った人はいませんでした。

このため、治療に専念するだけでなく〝家族への遺伝の可能性〟についても考える必要があるという点が、他の病気を大きく異なる点です。

医師から説明された手術の種類

この病気において、がん化を防ぐために最も有効とされているのが大腸の全摘出手術です。

医師からは、主に以下のような術式について説明がありました。

1. 大腸全摘+ストーマ(人工肛門)永久設置
肛門を残せない場合に選択される術式で、大腸全摘出後に小腸をお腹外に出して縫合します。

2. 大腸全摘+回腸嚢肛門吻合術(Jポーチ)
肛門を温存し、回腸の一部で袋(ポーチ)を作り、肛門につなぐ方法。
便意はある程度コントロール可能になります。回腸の一部で袋(回腸嚢)を作ったあと、一時的に人工肛門を造設し、腸が安定してから閉鎖します。閉鎖後は肛門から排便されます。

3.積極的経過観察
定期的な内視鏡検査とポリープ切除を徹底することでがん化を防ぐ方法です。ただし、最終的には多くの例で予防的手術(大腸全摘出)が必要になる場合があります。

それぞれにメリット・デメリットがあり、体の状態や生活背景に応じて医師と相談の上で決定する流れになるとのことでした。

大腸をとったらおしまい?

「大腸をとったら終わりではないの?」と感じる方もいるかもしれまでんが、結論としては大腸を取っても終わりではありません

家族製大腸ポリポーシスの人たちはポリープが〝できやすい体質〟であることをイメージしてください。

ポリープが最もできやすのが大腸であるため、まずは大腸を摘出します。

ただし、胃や十二指腸、小腸などでもポリープはできるので、引き続き注意が必要です。

私自身も、胃・十二指腸・小腸でポリープがみつかりました。

先生によれば、大腸に比べて他の部位でみつかるポリープは、良性であることが多いとのことでした。

定期的な胃カメラなどの検査をして経過をみる必要があるとのことです。

私も最初は誤解をしていましたが、大腸を適すればもう癌にならないというわけではありません。
・❌ がんが完全になくなる
・✅ がんになるリスクを大きく下げる

この点は正しく理解しておくことが大切です。

同じ病気をもつ人たちの事例

説明の中では、実際に同じ病気をもつ他の患者さんたちの事例もいくつか紹介されました。

20代後半で手術を受けた女性
(術式:大腸全摘+ストーマ(人工肛門)永久設置)
術後の生活に不安があったものの、仕事にも復帰しフルタイムで働いているとのことでした。

中学生で診断されたお子さんその家族
(術式:大腸全摘+回腸嚢肛門吻合術(Jポーチ))
最初は母親がこの病気を患っており、永久ストーマで生活。
普段からストーマ交換やストーマ生活の様子を見ていた子供は、定期検査で診断受けてもすんなりと受けいれられたそうです。
術後半年後で、ソフトボール部のキャッチャーとして復帰したと話されていました。(しゃがんで取るポジションだから凄いですよね。笑)

こうした話を聞けたことで、重く受け止めていた私にとっては希望もみえ、また〝自分一人ではない〟と実感できたのはとても大きな支えになりました。

おわりに

以上が、初診の際に先生から説明された内容のまとめになります。

この話をきいたときの私は、『大腸をとっても終わりじゃないんだ・・・』『私はどの術式がいいのだろう・・・』と不安や戸惑いでいっぱいでした。

それでも今振り返ると、

『大腸をとっても終わりじゃないんだ・・・』
→〝終わりじゃない〟という事実は新たな〝気づき〟だった

『私はどの術式がいいのだろう・・・』
→術式を選ぼうと悩んでいた私は、すでに次のステップに進んでいた

そんなふうに、少しずつ自分のなかで前進できていたことに気づけました。

この記事を読んでくださった方が同じような状況にいるのなら、不安や戸惑いの中でも確実に一歩ずつ前へ進んでいるので、どうか焦らず、時の流れに身を任せながら歩んでみてください。

タイトルとURLをコピーしました